ウェブサービスを継続するコツ – 2007年 11月12日

ウェブサービスをやっていると、「継続力」の大事さを痛感する。1回作って終わりのサービスなどは存在せず、NO.1を目指すならば、いかに泥臭く「育てる」かが分かれ目だ。

しかし、(そうはいっても)流行らず放置したり、ある程度ユーザーが付いたけど運用で手一杯だったり、流行っているのに飽きちゃったり。

個人サービスを作るコツ」「複数でサービスを作るコツ」「個人サービスのつくりかた」などでご紹介させて頂いているように、スタートすること自体は、「思い」さえあれば、瞬間湯沸かし器のように作り上げることは可能だ。

そうして作り上げたサービスを「継続」するには色々な自分用の餌や工夫が必要だし、いくつかの点に気をつけないともったいない結果になってしまう。

信念があるか

こういうサービスにしたい!こういう理想の世界を作りたい!などを持ち続け、明確な目標あれば継続することは全く問題ない。逆に「とりあえず作ってみた、始めてみた」だと、強い思いも段々と薄くなり、放置サービスとなってしまう恐れ有り。

ユーザーの声を拾い上げているか

「これよいですね。」「ここはこうしたほうがいいよ。」このようなユーザーの声を実感できるとモチベーションも上がり非常に良い。

アクセス数というのも、ある種自分のサービスへの評価ではあるが、いくら多くても数ヶ月経つと数字に麻痺してしまうことが多い。継続という意味で考えると、数値上のデータ(PV)よりも、1ユーザー1ユーザーの声の方が何倍も大事だと思う。そのためにも、ユーザーの声を拾い上げる仕組みは必ず用意しておいたほうがよい。

拘束力に縛られすぎていないか

企業であれば「業務として継続しなければならない」という拘束力が働くので、まったく継続しないということはないだろう。ただ、運用ばかりに時間を掛けすぎていたり、価値のない継続を続けているサービスはきっと多いはずだ。運用に支障をきたしては問題があるが、価値のない継続であれば、一度なぜやっているのか?何を成し遂げたいのか?は作業を止めてでも振り返って考え抜いた方が良い。

収益化を考える

現実的な話だが、ある程度のお金が安定して稼げるような収益性のあるサービスであれば、それ自体が立派な動機となりえる。逆に言うと、「稼げるコンテンツを追加する」(例えば広告を貼るとか)のも継続するための有効な方法だ。稼ぐサービスになると、収益減への恐怖というのはあるが、それは別の話。

市場状況などがかわってないか

スタート時はオンリーワンだったが、気づけば同じようなサービスがいくつもあったり、提供しているソリューションとは違う方法が使われていたりということはよくある。そのような状況だと、継続力も起きずに「辞める」となりがちだが、他サービスのよいところを吸収したり、別ソリューションを逆に搭載したりすることで、よりよいサービスに生まれ変わることがよくある。

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もっとも、一番最初のサービススタートアップ前から、上記のようなことを考える必要はないが、サービスでもビジネスでもスタートしてみて数ヶ月たって、ふと継続が辛くなってきたら、「なにを成し遂げたいのか?」「どういう方向に持って行きたいのか?」「ユーザーの声を拾い上げる仕組みはあるか?」「ビジネス化できるスキームはあるか?」を考えるのも悪くない。

それらを考慮したうえで、やめるという選択肢もありだ。湯沸かし器が沸きそうなネタは無限にあるのだから。

カテゴリー:グロースハック