複数でサービスを作るコツ – 2007年 6月13日

個人サービスを作るコツ」というエントリーを書いたが、最近、個人ではなく、友人と2人でQuemlというモバイル検索メールサービスを始めた。

基本的には「個人サービスを作るコツ」とノウハウは共有できるが、複数でサービス企画して作っていく作業独特のコツもあると思う。と、いうことで、今回は「複数」にスポットをあてて、個人ではなく複数でサービスを作り個人以上の成果を得るためのコツを書き出してみた。

複数でサービスをつくるコツ

1.決起集会を開く
2.ドメインを取る
3.サービスに名前をつける
4.リリース日を決める
5.常に連絡を取れる手段を用意する
6.予定を共有する
7.誰にも依存しない開発環境を用意する
8.良いものは良いという
9.タスクを明確化する

解説

1.決起集会を開く
「こういうサービスあったらいいよね。」というのは飲み屋でよくする会話。そこから実際の開発に至ることはあまりない。そこでおすすめは、決起集会。飲み会でもいいし、ランチでも、ディナーでもよい。顔をつき合わせて、「こういうサービスを作ろう!」という場を持つだけで実際の作業に入りやすい。

2.ドメインを取る
個人サービスでも同様だが、複数でやるなら尚更ドメインを取ったほうがいい。そうすることで、作らなければならない(もったいないと思うから)状況もでき、作る状況の共有につながる。

3.サービスに名前をつける
作るサービスに名前をつけるのは複数で作る場合も重要だ。なんでもよいので、命名したほうがいい。名前があるとモチベーションも高まるし、愛着ができる。

4.リリース日を決める
複数でなにかをする場合に、色々なレイヤーでの情報共有が重要になる。そんな中でも、サービスをいつまでに出すか?というのは最重要項目になる。そのため、サービス開発規模がわかっていなくても、リリース日は先に決めた方がよい。その日までにできなさそうな機能を削る判断基準にもなる。悶々と「どうやればこれ実現できるかなぁー」とお互いが待ちになって、悩まずにすむ。

5.常に連絡を取れる手段を用意する
業務でサービス開発を行うならば、業務遂行という義務があり、それを達成するために必然的にコミュニケーションを図る必要がある。しかし、お互いの自由時間に行う場合はその限りではない。そのため、常に連絡を取れる手段を用意して、コミュニケーションロスがないようにする。例えばメッセンジャーなどは非常に強力なツールだ。

6.予定を共有する
バラバラに作るのもよいが、離れた場所であっても、同じ時間に作った方が効率がよいし、モチベーションもあがる。なので、開発期間中だけでも、お互いの予定はある程度共有しておいたほうが何かと便利である。

7.誰でも触れる開発環境を用意する
お互いが自由に使える開発環境があれば、作業がスムーズになる。誰かのレンタルサーバーでも自宅サーバーでもなんでもよいが、特定の人しか触れないような特殊な環境は「待ち」が発生して効率を悪化させてしまうし、モチベーションを下げる要因になる。

8.良いものは良いという
良いものは良いといったほうが、お互いのモチベーションアップにもなるし、よりよいサービスにも繋がる。逆に否定的になると、負のサイクルに陥りがちだ。感想や提案をしてくれる人がいることも複数でやる最大のメリットの1つだと思う。

9.タスクを明確化する
個人でやる場合は、やるべき作業のすべてを自分でやる必要があるので、問題ないが、複数の場合はどうしても作業の「待ち」ができてしまう。この「待ち」をなくして、なるべく必要なタスクを洗い出し、担当者を明確化するだけで劇的に作業がスムースになる。できるできないは別にして、とりあえず担当者を振るのが重要だ。

————

個人作業と比べて、複数でやるにはそれなりのメリットとデメリットがある。ただ、メリットを高めていけば、個人ではなしえないようなことが短期間で実現するし、複数でやるほうが結果的によいことが多い。

上述したコツは色々あるが、キーワードとして集約すると「期限の決定」「情報共有」「タスクの明確化」でないかと思う。個人サービス同様、いつやめてもいい自由があるが、自由だからこそできる、面白いサービスを複数でメリットを最大化して作っていきたいものだ。

おまけ:おすすめツール

・バージョン管理ソフト「Subversion
・タスク管理「Trac
・メッセンジャー「Skype
・決定事項等ログ管理「googlegroup

カテゴリー:技術・開発