前回のエントリー(Web2.0は広告収入は稼げない)を投稿してから4ヶ月ほど経った。
Web2.0にビジネスモデルはないのか?など多くのご意見を頂いが、『mixiのバナー表示回数、Yahoo!に次いで2位』というItmediaの記事を見て、感じるところがあったので、再度考えをまとめてみた。
まず、『mixiのバナー表示回数、Yahoo!に次いで2位』のニュースの中には、バナーインプレッション数やクリック数が出てくるので、わかりやすいように引用させて頂く。
ドメイン | 広告表示回数 | 出稿バナー数 | クリック率 |
yahoo.co.jp | 44699 | 1521 | 0.02 |
mixi.jp | 1123 | 135 | 0.04 |
infoseek.co.jp | 551 | 310 | 0.05 |
ecnavi.jp | 313 | 107 | 1.89 |
さて、この記事ではmixiのバナー表示回数がYahoo!の次に多かったことをニュースとしている。しかし、表示回数自体はページビューに比例するため、あまり驚くべきデータではない。400万の会員向けにあれだけの広告表示をしていれば、まぁ表示回数は上がるでしょうというレベルだ。
次にこのニュースでは『MixiはYahooよりも2倍の広告クリック率を誇っている』と書かれているが、これはレトリックだ。たしかに「0.02と0.04」では2倍の違いがあるが、0.02の違いしかなく、そこにユーザの質的な違いや、サイトの特性の違いから起因するようなものはないと思われ、誤差の範囲だと考えられる。同じポータルであるinfoseekが0.05であることを考えると、そう考えて間違いなさそうだ。web2.0的だと言われるMixiはなぜクリック数が低いのか。
前回のエントリーでは、Web2.0が広告収入を稼げない理由は以下の3つだと考えを述べた。
1.誘導手段が違うから
2.ユーザの質の違い
3.そもそも広告との相性が悪いジャンルだ
Mixiがweb2.0的なのかどうかは別にして、「誘導手段」に関しては広告が表示されないRSSからの誘導がメインという訳ではないので、問題ない。次に「ユーザの質」に関しても、ユーザ層はギークというよりも、より一般ユーザに近い層が利用しているので、あてはまらない。問題は最後の「そもそも広告との相性が悪いジャンル」だと思う。
もう一度、上の表を見ていただくと「ecnavi.jp」のクリック率が異様に高いことがご覧いただけると思う。ECナビは商品を比較・検討できるサービスであり、これは「商品を買おうとしているユーザ」に「商品」の広告をマッチングさせている為、クリック率の高くなっていると考えられる。アドセンスなどと同じ手法だ。
これらを踏まえると、Web2.0的サービスだから広告収入が稼げないというよりも、いまWeb2.0の対象となっているようなサービスやターゲットが上記1.2.3に当てはまることが多いから稼げないと言い換えられるかもしれない。
Web2.0的なサービスであっても、CGMを活用した購買の支援や、商品やサービスのシステム的なマッチングに力点を置けば、例え、Web2.0的であっても、間違いなく広告収入は稼げるだろうし、むしろ更に稼げるようになると思う。
Web2.0的なサービスのターゲットは一般ユーザにするよりも、ギークにしたほうがよいというのが自論だが、サービスがキャズムを超えるまで待てない、一般ユーザでも理解できるサービスだという場合は、広告収入モデルのビジネスで責めてみるのもおもしろい。