Web2.0は広告収入を稼げない – 2006年 2月1日

以前試しに、このサイト(Web2.0ナビ)に広告を貼ったことがある。

このサイトで稼ごうなどとは更々考えてないわけですが、実験を行ってみたのでした。予想した結果よりも悪く、みごとに広告がスルーされていました。

ページビュー 9808 広告リンククリック数 12 クリック率 0.12%

私は過去・現在・私用・仕事を大小合わせて何十とサイトを作成したことがありますが、ここまで見事に広告が押されない現象はなく、理由を少し考えてみました。


サイトの種類や広告の掲載方法などによって結果は違ってしまうのですが、同じような手法で広告を掲載していた別ジャンルのサイトのデータも下記に記載しています。ターゲットは一般の人で、カテゴリは書評です。

ページビュー 9838 広告リンククリック数 119 クリック率 1.21%

一例だけで比較するのは難しいのですが、大体のウェブサイトの広告クリック率が1%前後と言われているので、それほど特殊なサンプルではないことは、わかっていただけると思います。

比較結果は見れは一目瞭然なのですが、このサイトの広告クリック率が異様に低いことがわかります。

なぜこれほどまでに、クリック率に差があるのでしょうか。その理由を私なりに検証してみたところ、以下の3つに絞られるんじゃないかと考えました。

1.誘導手段が違うから

このサイトの訪問いただいている方の大部分はRSS経由です。RSSに広告は出ません。それに対して一般的なサイトのメインの誘導経路は検索エンジンです。広告が出るのと出ないの。あたりまえですが、そこに違いがあるのではというのが一つ目。(あんまり関係ないと踏んでますが。。)

2.ユーザの質の違い

これが非常に大きいと思っています。このサイトに来ていただいている方は、非常にウェブのリテラシーが高い方が多い。一般の人はweb2.0なんて興味ないですからね。。そんなギーク?な人には、どれが広告で、どれがコンテンツかの目利きができる。言い方は悪いですが、騙されて(?)広告を踏む人は殆どいないと言って良いでしょう。広告を広告だと思ってクリックする人がほとんどだと思われます。(DIGGも広告クリック率は非常に低いようで、その理由と似ていると思います。)

それに対して、後者のサイトは一般的なユーザを対象にしているので、どれが広告で、どれがコンテンツかという判断は難しい。特にテキスト広告になるとその傾向は顕著になると思います。広告だとわかっていれば、クリックしなかった・・・という人も広告をクリックしている場合も多いと思われます。

3.そもそも広告との相性が悪いジャンルだ

こういった技術よりのサイトは、物販やなんかと直接結びつきにくいカテゴリですから、広告(一般商材)との相性は決して良いものではありません。それもクリック率が低い原因の一つではないでしょうか。

こういった考えでいくと、間違いなく、『Web2.0っぽいサイト=ギークな人が好むサイト』は広告収入を稼ぐことは難しいんだと思います。となると、今のウェブの主流である広告収入ビジネスができないということでしょうか。

前のエントリでも書きましたが、そうとも言えないのと思っています。(どっちだ!)

初期のグーグルを思い出すと、広告も何もない検索エンジンでした。アルファギークな人がグーグルを使い、グーグルは素晴らしい検索エンジンだという評価を作ったのです。

それに、一般ネットユーザもついていく形で今のグーグルモデル(Adwardsなど)が確立しました。それと同じように、ギークな人の評価を高め(この時点では広告収入なし)、それに一般の人がついていくまで粘れば良いのです。

その粘りの期間とシステムなんかへの投資のバランスがとれないと、ビジネスモデルとして成り立たない可能性もありますが、ギークを魅力して、一般の人をひきこむという流れが、web2.0っぽいサイトのビジネスモデルなのかも。

広告収入をメインに考えるならば、まずはギークに。そして必ず一般ユーザを捕まえる必要があるのです。

ギークだけを対象としたサービスで、広告収入を狙うのは非常に難しいのは間違いないと思います。

※ この理論でいくと、(まったく同じ条件で広告を貼るとして)、はてなの広告クリック率は非常に低いはず。それに大して、ミクシィのクリック率は高いはずです。

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