Digg に見るビジネスモデル – 2005年 12月7日

digg.com

アメリカでテクノロジー系ニュースサイト「Slashdot」をものすごい勢いで追い上げるサイトがある。

「digg.com」(以下:ディグ)である。

ディグは、読者が集めた情報を掲載する参加型のニュースサイトである。


参加型のニュースサイトといえば、日本でも有名な「スラッシュドット」がある。日本同様にアメリカでも人気を博しているが、ディグはそれ以上の盛況ぶりなのだ。Hotwiredの『ディグ』紹介記事によると、

1周年を迎えたディグは、トラフィック量で急速にSlashdotを追い上げている。現時点で8万人のユーザー数は3ヵ月ごとに倍増している。

とのこと。ディグからリンクを貼られたサイトは、ユーザが一気に押し寄せてサーバーが落ちてしまうという現象が起こるくらいに人気がある。
では、スラッシュドットと何が違うのだろうか。それは、

開設7年、テクノロジー系ニュースの草分け的サイトであるSlashdotには編集チームが存在するのに対し、ディグは登録ユーザーによる推薦と投票をもとに記事を掲載している。

という点である。もちろん、この2つのニュースサイトで同じニュースが記事になることがあるのだが、ほとんどの場合、フィルターがない、ディグの方が配信が早いのは言うまでも無い。

ビジネス面のディグを見るのもまた面白い。実は、ほとんど広告収入がないらしい。ディグに来るユーザのほとんどが、広告などをクリックしないからだという。これは極々当たり前の話で、ネットリテラシーの高い人ほど、広告は押さない。何が広告で何がコンテンツであるかの区別がつくからだ。

では、ディグにはビジネスモデルがないのだろうか。そうとも言えないのでは無いか。

初期のグーグルを思い出して欲しい。広告も何もない検索エンジンだったころだ。アルファギークな人がグーグルを使い、グーグルは素晴らしい検索エンジンだという評価を作った。

それに、一般ネットユーザもついていく形で今のグーグルモデル(Adwardsなど)が確立した。それと同じように、ギークな人の評価を高め、それに一般の人がついていくまで待てばよいのだ。

ギークを魅力して、一般の人をひきこむ。今後は当たり前のビジネスモデルなのかも。

カテゴリー:Webサービス