Web2.0サービスのターゲットを一般ユーザにすると危ない – 2006年 2月17日

最近は新しいものや新しい考え方を搭載したサイトが次から次へとリリースされている。

しかし、どうもぱっとしない感じがする。

それはなぜかと考えた時に、対象が「一般ユーザ」だからなのかも知れないと仮説をたてた。

はてなブックマーク、Flickr、del.icio.us、Newsvineなどなど色々な流行っている面白いサービスがある。これらのサイトに共通していえることは、ユーザ層がインターネットリテラシーが高い層(=ギークと呼ぶ)だと言うことだ。


ビジネススキームを考えるときに、一般的にはターゲットは広い方がよい。また、前回のエントリー(Web2.0は広告収入を稼げない)とも繋がる話ではあるが、ギークをターゲットにすると層はうすいし、広告収入に繋がりにくいとも考えられる。

そういう視点で考えると、特にターゲットを絞る必要がない場合は、一般ユーザまたは既存サイトと同じ層のユーザを対象とすることとなる。グルメサイトの1コーナーとして新コンテンツを作っても、対象はグルメが好きなユーザである。あたりまえの話だ。

これが一般的なコンテンツやサイトの構築であれば、問題ないと思う。しかし、先進的なサイトやコンテンツ(Web2.0的サービス)をリリースするとなると話は違う。

1.一般ユーザが理解できない。

いくら面白いサービスや、素晴らしいUIを考えたとしても、一般ユーザには面白さは伝わりにくい。
私も最初はソーシャルブックマークなんて何が良いのかわからなかった。誰かによさを解説してもらって初めて良さがわかるものだ。自分でよさを発見できる力量はない。

2.ギークを拒む

こういうものが好きなギークな人は多くいる。しかし、対象が特定されていると障壁が高い。例えば、上の例でいうグルメサイトに、グルメ系の先進的なコンテンツがあったとする。先進性は面白いと思っても、グルメに興味がないと、そこで終わってしまうのだ。

3.仮説にならない

上記ステップを踏むと、結論として「このコンテンツは失敗だ」になってしまう。
対象をギークにして、ギークに流行らせたあとに、一般ユーザに広げていけば素晴らしいサービスになった可能性もあるにも関わらずだ。正当な評価がされない危険もある。

こんなことを書いていると、この仮説はどうなんだろうか・・・・と不安になってきたが、無い話ではないなぁ・・・と思う。何度も書いているが、いきなり一般ユーザを狙っても難しい。ギークを狙って、一般ユーザに広げるのが今後の流れだと思う。

最低でも、機能の素晴らしさとは反対の簡単なユーザインターフェースが求められるのかも知れない。

# 下記は引用


3年前の自分は別人、を他の人にも当てはめてみる。(naoyaのはてなダイアリー)
には

はてなブックマークをより使い易いように改良したいと思うけど、それは「初心者に使い易い」ようにする観点ではなく、あれはウェブを見るのが大好きな人たち向けのツールなんだから、初心者が成長してきたころに使うためのツールなんだと。

とある。これもある種、初心者をターゲットにする危うさを語っているように私には感じられる。

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