ベンチャー社長はどういう人を経営幹部にすべきなのか – 2014年 4月17日

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ベンチャーにおけるマネージャーの役割 にて、マネージャーの役割が思いのほか重要であると書かせて頂きました。僕も恥ずかしながら多くの失敗をしてきました。

その後、僕が働いているクラウドソーシングをやってるランサーズという会社でマネジメント合宿を開き、坂本桂一さんの本を一部題材にして、ではどういう人を経営幹部にすべきなのか?を逆にマネージャーに考えてもらい、僕も考えをシェアしまた。

そこでの議論や考え方は、ベンチャーのような30-100人の小規模組織においては割と多くあてはまるんじゃないかなと思い、記事にしてみました。

“スキル重視起用” と “考え方重視起用”

会社が大きくなり人数が増え、30人を超えだすと、さすがに自分(社長)1人では全てメンバーをフォローしてあげることができなくなります。そうすると経営幹部たるマネージャーにメンバーのマネジメントを任せることとなります。

その際、ベンチャー社長はどういう人を経営幹部にすべきなのでしょうか?経営幹部はどういう人物であるべきなのでしょうか?起用方針として大きく2つ、できる人をマネージャーにする”スキル重視起用” と 自分の分身をマネージャーにする”考え方重視起用”があると思っています。

ベンチャーには不向きな”スキル重視起用”

“スキル重視起用” は「営業ができる」「開発ができる」「経理ができる」スキルの高い人をマネージャーに起用する方法です。多くの会社、特にベンチャーのような、社長が初めての経営経験である場合は、最初は何の迷いもなく、この方針で起用することが多いのではないでしょうか。

この場合、マネージャーは、自身の考え方・基準で判断し、メンバーマネジメントをします。Aチーム、Bチーム、Cチームは考え方においてバラバラになり、組織全体のスピードが著しく落ち、社長もマネージャーが方針と違う意思決定が繰り返されることから真の意味の権限委譲ができず、大事な部分は社長自身で決め続けます。当然、スピードも上がらない状態となります。

では、スキル重視起用が悪なのかというとそうではなく、外資系企業など非常に精微なインセンティブ設計などをすることによって、効果的に機能していることもありますし、この形のエクセレントカンパニーも当然たくさん存在しますが、こと制度設計やルール整備もできていない、創業間もないベンチャーにおいては、とても難しい選択だと思います。

劣化の少ない組織拡大が可能な”考え方重視起用”

“考え方重視起用”は「考え方において社長の分身である人」をマネージャーに起用する方法です。社長の考えるビジョンや理念、行動指針に共感していることは勿論、自分の言葉としてビジョンを語ることができ、当事者意識があり、多角的な目線(鳥の目、虫の目、魚の目)をもつ人。そして何より、できない理由ではなく、できる方法を考え抜ける人、つまり社長と同じ考え方ができる人を経営幹部に起用する方針です。

画像参照:年商5億円の壁の破り方より一部抜粋

会社を設立した創業時は、人数も数名から10名と、誰もが社長の考えを理解している状態だったかと思いますが、”考え方重視起用”は、この創業期の状態を維持したまま拡大できるスタイルです。考え方においての分身を増やすことで、その人がハブとなり、ハブ&スポーク型の組織拡大ができます。

よく誤解されるのが、何もイエスマンを増やすということではなく、考え方においての分身ということであり、社長にイエスなのではなく、考え方にイエスなのです。創業間もないベンチャーが劣化すくなく組織拡大し、スピード感のある事業展開ができる組織の近道だと思っています。

さらに人数が500人や1000人となってくると、「考え方も異なる」人たちが集まり、それでも更に力強い組織拡大できる仕組みが必要なのだと思います。そして多くの会社が「ビジョン」「理念」「行動指針」を定めている理由の一つには上記は無関係ではありません。

30-100人規模の組織において、劣化少なく組織拡大する方法は上記のビジョン共感型組織作りがとても大事であり、なにより「スキルもあり」「考え方も同じ」という人が最も良い選択なのは、言うまでもないことではありますが、どちらが大事か?と言われれば後者なんだと思っています。

何より大事な経営幹部同士

経営幹部起用というと、社長と経営幹部一対一の関係性が重視されがちですが、それと同じくらい大切なのは経営幹部同士の関係性や意識統一です。当事者意識の高い、経営幹部同士が同じバスに乗るチームとして一体感をもって進めた時に真のパワーが発揮されます。それはまた別の機会で。

参考リンク:経営におけるクソジーコ問題
参考リンク:年商5億円の壁の破り方
参考リンク:ハブ&スポークとは

カテゴリー:組織・マネジメント