ウェブサイトの横幅は、一昔前までは650pxが最適といわれ、4・5年前からは800pxが最もユーザビリティ上最適なサイズだった。大手ポータルサイトをはじめとして、800px未満で構築されたサービスが殆どだった。
しかし、ここ最近は800pxをあまり意識していないと思われるウェブサイトが多く登場してきた。mixi、AllAboutJapan、朝日/読売などは1000pxで最適化されている。ウェブサイトの横幅が1000px時代に突入しようとしているのだ。
# 厳密には950pxだったりするが、便宜上1000pxとしている。
ウェブサイトの横幅が1000px時代に突入しようとしているのには、大きく3つの理由がある。
画面解像度の向上
1000pxを表示するためには、それ以上の画面解像度のモニタが必要だが、今は1024以上のモニタが主流であり、さらに、1280px以上のモニタも50%程度を占めるといわれている。最新のデータがないので、私が管理するサイトの直近のアクセスログから試しに解像度を調べてみると、以下の結果となった。(調べたログ数は10万)
1. 1024×768 40.00%
2. 1280×1024 24.99%
3. 1280×800 11.76%
4. 1680×1050 3.61%
5. 1440×900 3.36%
6. 1280×768 2.32%
7. 1400×1050 2.31%
8. 320×396 2.13%
9. 1920×1200 1.92%
10. 1600×1200 1.86%
多くが1024px以上のモニタを利用していることがわかる。1280px以上のユーザーも50%近くいる。世間一般的なデータと大きな違いもないはずだ。
現在40%程度いる1024pxモニタのユーザーも1280pxのモニタへの買い替えが促進されると予想されるため、大きな横幅のウェブサイトを作りやすい環境が物理的に整いつつあるのだ。
IE7でサイドバー仕様変更
IE6を標準インストールをすると、サイドバーは開いた状態を記憶する設定となる(画像参考)。なので、サイドバーに「検索」や「お気に入り」を表示しながらネットサーフィンするユーザーが多く、いくら画面解像度が1000px以上あっても、サイドバーを開くと、1000px近い横幅のサイトは横スクロールが出てしまっていた。なので、4・5年前でも主流は1028×768のモニタだったが、800px未満でサイトを作るのが最適といわれていた。
しかし、IE7を標準インストールすると、サイドバーを開いた状態を記憶しない。つまり、「お気に入り」のサイドバーを一度開いても、IE7を再起動すると閉じた状態に戻ってしまう。めんどくさくなってそのままにしてしまう人が多いはずだし、初心者の方などは、特に気にせずこのまま使うことが予想されるため、たとえモニタが1024であったとしても、問題なく大きな横幅のサイトを閲覧できる。そんなIE7は2008年の早い段階で、Windowsの自動ダウンロードからインストールされる。
# 2007/10/2 14:00 IE6とIE7の仕様を勘違いしており、一部修正しました。(pさん、yさんありがとうございました!)
FireFoxも標準ではサイドバーが閉じた状態であり、ウェブサイトを見るためのアプリケーション(ブラウザ)も、1000pxの横幅を作りやすい土壌となりつつある。
Yahoo!Japan!が950pxの横幅に
日本を代表するウェブサイトである、ヤフージャパンも800px標準の横幅から、1000pxの横幅デザインのウェブサイトにリニューアルする。すでに今現在でも変更後のデザインを確認できるが、2008/1/1にすべてのユーザーに対して新デザインを適用する。
日本のウェブサイトは多かれ少なかれヤフーを参考に作られてきた。そのヤフーが1000pxとなれば、1000px化への流れは加速度的に進んでいくだろう。
ユーザー側から見ても、ネット視聴率の多くを占めるヤフーで横スクロールが出ることはストレスであり、サイドバーを閉じたり、最大化して表示したりするかもしれない。
こういった全体的な流れが更に1000px化の流れを進めていき、1000pxのウェブサイトが標準となり、まったく違和感のない時代となるのは時間の問題だ。
あなたがもし、2008年以降にウェブサイトを作ろうと思っているならば、迷わず950px-1000pxの横幅にすることをオススメする。最初こそ、ユーザーの一部からクレームがあるかもしれない(?)が、1年後2年後を見据えると、きっと間違いにはならないはずだ。
# 2007/10/2 追記
今、800pxあたりで閲覧している人を否定するものではありません。また、固定幅でのサイト作成を推奨しているわけでもありません。私自身も1024サイズでお気に入りを表示しながらみていたりします。
もちろん800pxで見ているユーザーを考慮すべきですが、リキッドデザインにするにしても、今後は1000pxあたりで見る人が多くなればなると、最低限1000pxで見れればよいという風潮が強くなるし、そういったサイトも増えてくると考えています。