私は昔たばこを吸っていたが、2年前に辞めた。辞めるにあたって一番悩んだのが、「アイデア発掘の場」がなくなってしまうことへの危機感だった。
もちろん、普通の人?と同じように、「習慣を変えることでのストレス」や「口が寂しくなるのでは」という不安はあったが、やはり「アイデア発掘の場」がなくなることの恐怖の方が大きかった。
たばこがなぜアイデアと関係があるのか?とお思いになるかと思うが、喫煙状態というのは究極のアイデア発掘の場なのである。具体的にいうとこうだ。
1.他にすることがない
たばこを吸っている状態というのは、煙を吸うという行為以外にすることはない。特に私の場合は、喫煙場所はベランダと決めていたので、テレビを見ながらなどということはなかった。となると、できることはないうと、何かを考えることしかない。考える以外にすることはないのだ。
2.一定の時間拘束される
上記のような状況は生み出そうと思えば生み出せるが、ただ単にベランダに出ただけでは1分もすれば飽きてしまう。家の中で考えよう・・・とか思ってしまう。しかし、たばこを吸っている状態は、体はたばこを求めているので、3分~5分くらいは絶対に拘束される時間ができる。3分~5分というと結構考えることができる。
3.一日に何回もそういうタイミングができる
たばこは人にもよるが、1日10本から15本くらい吸うのが平均だろう。となると、上記のようなタイミングが10回から15回もできるのだ。3分×10回としても、毎日30分間アイデアを考える時間ができるのだ。
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こういった「アイデア発掘の場」がなくなってしまう恐怖から、禁煙に少し躊躇していた。たばこを吸わない方からすれば、少し検討違いというか、理解できない感覚だと思うが、たばこを吸う方には少しは?理解していただけるかもしれない。
上記経験を踏まえて、逆説的に考えると、こういうスキームをたばこを吸うという行為以外におきかえて生活に応用すれば良いのかもしれない。
1.他にすることがない
2.一定の時間拘束される
3.一日に何回もそういうタイミングができる
この3条件がそろう状況というのは、あまり無いと思うが、「電車の中で」「トイレの中で」「お風呂の中で」とかを組み合わせれば、代換可能か。
朝コーヒーをベランダで飲むとか、このような時間を意図して作るのも有効だと思う。アイデアや企画を考える必要になって考えるのではなくて、生活習慣の中にアイデアが生まれるフックの時間を置いてやるだけで結構違ってくるかもしれない。
アイデア、アイデアといっているが、今後の日曜日どうしようとかそういった考えを整理する時間にも有効だ。