インターネットの世界をアメリカを抜きにして語ることはできない。いわゆるWeb2.0だといわれるサービスのほとんどがアメリカ初である。SNSもそうだし、ブログもそうだ。
これはサービスだけにいえることではなく、企業にもいえることだ。ネット界の風雲児であるGoogleやeBay、Amazon、YouTubeどれも米国企業なのである。
そんなインターネットの超先進国の米国からみて、なんとも羨ましいものが意外にも、日本のインターネット事情に存在するらしいのだ。
はてな、Mixi、バリューコマース、楽天、サイバーエージェント等といった名だたるインターネット企業が日本にもある。2ちゃんねるやGYAOといった日本独自のインターネットサービスも存在する。しかし、それら企業やサービスではないらしい。(それらも羨ましいかもしれないが。)
では何かというと、実は インターネット接続環境 なのである。
意外に知らない人も多いかもしれないが、米国のインターネット事情と日本のそれを比較すると、その差は「スピード」「価格」共に歴然とあるのだ。
< 日米ネット環境比較 >
種類 | 日本 | アメリカ |
ADSL 1.5Mbps | 1000円-2500円 | 3500円-4500円 |
ADSL 3.0Mbps | 1000円-2000円 | 4000円-5000円 |
ADSL 6.0Mbps | 1000円-2000円 | 4000円-5000円 |
ADSL 8.0Mbps | 2000円-3000円 | プランなし |
ADSL 50.0Mbps | 3000円-4000円 | プランなし |
光ファイバー100Mbps | 5000円-7000円 | プランなし(ビジネス用:100万以上) |
見てのとおり、日本では低速ADSLプランと言われているタイプが、アメリカでは主要な回線速度なのである。(速度はこの程度が多いが、種類はケーブルやDSLなど多岐にわたる)逆に日本で多く普及しているADSLの50Mや光ファイバーといった超高速回線は、アメリカのコンシューマ向きではまずお目にかかることができない。高すぎて一般家庭では使えないのだ。
もし仮に光ファイバーの100Mbps程度の通信速度を実現したい場合は、ビジネスプランしかもエンタープライズ向けを選択することでやっと実現することができる。しかし、その価格は安くても100万円以上が相場だという。
それと比較したときに、日本のインターネット通信環境というのが如何に素晴らしく、しかも「安く」「定額」で提供されているかがわかると思う。低速回線しか手の届かないアメリカ人からみたときに、日本のネット事情は本当に羨ましいインフラなのだ。これは一般人が日本をうらやましいと思うというよりも、インターネットサービスを提供する企業や運営者が羨ましいと思うのだ。
なので、Googleの副社長やAmazonの社長やその他アメリカ人ネット業界有名人のインタビューを見るとよく「日本のネット環境はすばらしい」という一文が書かれているはずだ。それは上記のような理由から来るのだ。
ただ、そんなアメリカ人から見たときに、『日本ではなぜこんなにすばらしいインフラがあるにも関わらずに、それにともなったGoogleやYouTubeのようなサービスが出てこないのだ?』と不思議にも思うそうだ。
ネットサービスやネット企業といえば、何でもまずはアメリカがすべて先進のように思えるが、日本も米国人がうらやむようなネット環境があることを意識したほうがよい。そして、そのすばらしいネット環境を日本のメリットとしてサービスの開発をしたほうが、アメリカ一辺倒ではない、日本独自/日本発のサービスをうむヒントになりそうだ。
アメリカでも高速回線が安く提供される日は必ずくる。そういった時に、高速回線を多くの人が享受しているからこそできるサービスといったものが出てくるはずだ。その時に、すでに日本にある日本発サービスをアメリカでローカライズしたいものだ。
参考サイト
HighSpeedProvider
価格.com – プロバイダー比較 –