Web2.0を1900年から勉強する – 2006年 7月16日

『Web2.0』『次世代のウェブ』『今が変革の時』などのキーワードが頻繁に飛び交う世界にいると、何か今が特別な時代で、すごい変化の中にいる錯覚がする。

この感覚自体は全然間違ってはいないと思うが、こういった変化の時代というのは、ウェブ以外でもすごく昔から何度何度も起こっていて、Web2.0というのは、その繰り返しの中の何回目かに過ぎないんだと思う。

もしその変化が何度も起こっていて、過去に何回も変化があったとすると、その変化の歴史を見ることで今後の変化の勉強になるんではないかと思った。


例えば、明治維新とか、産業革命とか色々な大きな近代の変化の中でも、参考になる変化の1つが、『自動車の発明、そしてフォードが自動車を量産したこと』ではないかと思う。

1800年代後半から1900年初頭にかけて、人々の交通手段は馬車がメインだったという。人々の中には、「もっと早く走る馬車が欲しい。」「疲れない馬車が欲しい」というニーズがあったという。つまりすごい馬車が欲しかったのだ。

ユーザーニーズばかりを見ていたら、すごい馬車を作ることに躍起になっていたと思うが、そんな中でもフォードは馬車ではない、「目的地に早く着きたい」「移動時間を楽に短縮したい」「自分のいう事を聞く乗り物が欲しい」というユーザーニーズの本質を見抜いて、すでにあった自動車を人々がよりやすく使えるように改良した「T型フォード」を量産した。宣伝文句もズバリ「早く走れる疲れない馬車」かなんかだった気がする。

ここで重要なのは、ユーザーニーズそのものではなく、ニーズの本質を見抜くということである。もしかすると、Web2.0とはいってはいるけれど、本質を見るとインターネットではない何か、むしろ道具や方法では無い何かで、今のニーズを解決できるかもしれない。

ここまでの話は有名なイノベーションのジレンマでも色々な事例と共に書かれている話なので、参考にしてみると良い。

あまり有名ではないが、フォードの成功体験とともに個人的に参考にしたいと思っているのは、『フォードの失敗体験』である。

T型フォードの大成功の後、フォードはT型タイプの自動車を約15年モデルチェンジをせずに、販売し続けたという。そして、時代は違うニーズへ、違う自動車へと変化していった。自動車時代という変化に対応したのはいいけれど、次の変化には耐えられなかったのである。

Webの世界においても、Web2.0で起こりうる変化の次の「さらなる変化」を見据えないと、第二のフォードになってしまうかもしれない。

そういう意味でも、フォードの失敗体験はもとより、過去の変化の失敗や成功の事例を見ることは、非常に勉強になると思う。

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