ネット人口8500万人って本当? – 2006年 7月14日

インターネットビジネスやWeb2.0といったものを題材とした講演やセミナーなどに行くと、『日本は8500万人もネットユーザーがいる』『すでにウェブは一般的なインフラになった』等々といった説明がされることが多い。

8500万人というと、老若男女の10人に6人(65%)がインターネットを使っている計算ということだ。

この手の話を聞くと、どうも現実の感覚と少し違うような気がしてならない。


というのも、私の周りだけでも『65%』の人がインターネットを使っているとは、とても思えないのだ。周辺の年代は一番ネットを使っていると思われる20~30才だし、住んでいるのもネットが整備されている都市圏の人が多い。それでもインターネットを『使っている』のは正直30%がよいところだと思う。

で、8500万人の根拠は何か?を色々と調べてみると、総務省発表の「インターネット白書」なことが多い。その中(2006年度版)にはこう書いてある。

全国人口の1億2771万人(2005年10月の推計値)のうち、6歳以上で過去1年間にインターネットを利用したことがある人数

やっぱりそうか、という感じだが、『使っている』のではなく『使用したことがある』なのである。また、この数値にはモバイルインターネットも含まれているようなので、8500万人は少し多すぎだと思う。使っているレベルによって変わってくると思うが、「週に3日はネットをする」くらいの条件にすると、1000万人も厳しいのではないだろうか。

『8500万人などと言われるとすでに成熟産業であり、そろそろ斜陽なんじゃないか?』と思っていたので、正直ほっとする。

まだまだ使っていない人がいて、これから増える可能性は多くある。また、ただ単なる利用者数増ではなく、ネットとの距離感の深みも増えていくはずだ。

「週に3日は使っている」のが既に8500万人いると仮定していた人、それを信じていた人(いるのか?)には、今後も大きく成長する可能性があるということで、少し嬉しい?トリックでした。

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