ウェブでの『参入障壁』と『先行者利益』の意外な側面 – 2006年 7月6日

ビジネススキームを考える時に必要な要素の一つが『参入障壁』だ。参入障壁にも色々な要素があるが、その中の一つである『先行者利益』について考えたい。

先行者利益は、先にサービスなりお店なりをはじめることで、「○○といえば△△だな!」といったブランドイメージの定着や、ライバルがいないことでのユーザーの独占、独自市場形成等々が上げられる。

特にウェブの世界では、「先行者利益を獲得して、そのまま独走」といったパターンで勝利を勝ち取ったサービスが多く見られるのだ。


Yahooオークション、Mixi、ジャパンネットバンク、楽天などなど上げるとキリがありません。(もちろん、その逆もあって、後攻者利益を逆手にとって成功した企業もある。ライブドアとか。)

で、ここからは超個人的な見解なのだが、ウェブでサービスを提供するときの先行者利益って「上記以外の『精神的なところ』な利益も大きいんじゃないか?」と考えている。

私の場合だと、どんなに○○サービスの方が良いといわれても、今まで使い慣れている△△サービスから切り替えるのは非常に障壁が高い。ブックマークしたURLの変更もめんどくさい。使い慣れたUIや操作を変更するのも億劫だし、それほどウェブでも習慣性というのはあると思っている。

リアルの世界で、いつも購入している焼肉のタレを店頭の商品陳列の中からいつもと違うタレに変更する動機と、ウェブでいつも使っているサービスを変更する動機は意外とウェブの方が精神的にめんどくさいように私は感じるのだ。

特に日本の場合は、まだまだYahooというポータルが健在で検索といえばYSTだ!という風潮が残っているくらいに、保守的なユーザーが多い。そう考えると、リアルよりもウェブの方が格段に先行者利益のおいしさはUPすると思う。

SEO的にも、早くサービスを開始した方が有利だ。

Web2.0でいうところの「リリースサイクルの終焉」「ベータサービスでの早期オープン」はこの当りからも裏づけされる方向性なんだと思う。

もちろん、以前書いたライブドアリーダーのエントリーのように非常に素晴らしいサービスの場合はとって変わられるのだが、先行してサービスインすることは非常に大きな利益を獲得できると思って間違いない。

キーワードは『習慣』『保守性』あたりだろうか。。

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